« 2005年01月 | メイン | 2005年03月 »
2005年02月28日
人材紹介会社 社長の嘆き
近年、医療機関に対する医師をはじめとした人材紹介や派遣業者が雨の後の竹の子のように増え続けている。中には老舗と言われる所でさえ紹介後、半年を過ぎたら辞めるドクターもいるなど詐欺まがいのある業者もあると聞くので油断はならない。
さて、私の親しくしている鹿児島の優れた人材紹介会社 医療人材センター政岡社長と先般お会いしたところ、そこの得意とするナースの紹介について上述の例とは逆に何人か紹介するのだた、かなりのナースが辞めてしまう。この原因を調べてみると、どうも職場の雰囲気や約束した労働条件にあるとのこと。特にナースは集団で辞める群れ指向があるので気をつけなければならない。
これら原因の根本はつまるところトップの経営姿勢にあると言える。病院の文化、風土、職場の活性化、職場の規律、仕事のやり甲斐の場づくり、全てはトップの責任であり、他に責任を転嫁させてはならない。えてしてこのような人の出入りの激しいところは良い人財が辞め、悪い人罪が残ってゆくものである。
投稿者 noguchi : 10:38 | コメント (1) | トラックバック
2005年02月25日
医療訴訟の増加傾向について
昨今消費者(患者)の権利意識の増大と情報化の進展により医療訴訟件数はこの10年間毎年10%ずつ増え続けている。全般的に弁護士不足を来たし法科学院新設の大学が相次いで誕生している状況にある。
医療においては専門性が高いいわゆる情報の非対象性のために医療側が負けるケースはまれであった。しかし、ここ数年、裁判所では積極的な被害者救済の立場から、疑わしきは和解をすすめることで裁判のスピード化もあって金銭解決に収めるのが大半という傾向にある。しかし、保険会社は保険料の支払いを極力抑えるために医療機関側の損害が大きくなりつつある。
訴訟に負けないためにはまず、医師と患者、医師と医師、医師とコメディカル同士のコミュニケーション強化に最大限努力すること。トラブル発生時には相手に対する窓口を一本化し、相手とのやり取りや対話の証拠をしっかりと残すこと。そして、ことが大きくならないまだ芽のうちに摘むことである。事が起こってから医師会の顧問弁護士に頼むよりも個別に信頼のおける医療に明るい弁護士にわずかな顧問料を払ってでもいつでもすぐ問題の問合せをできる体制をつくることをおすすめする。
投稿者 noguchi : 08:33 | コメント (0) | トラックバック
2005年02月21日
サプリメントに思う
先般私が理事長を務めるNPOイーマ(健康で生き生きとした社会づくりを目的とする)の例会において代替医療とサプリメントについて廣瀬輝夫(前 米国ニューヨーク州立医科大学教授)先生にご講演をいただいた。
今日米国では西洋医学ばかりでなく、代替医療として中国医学(漢方薬、鍼、気功)印度のアーユルベーダ(食療法、薬草)アラブのユナニ(温浴、薬草)ギリシャローマのアロマ(香料、マッサージ)英のオーラソーマ(色、光)などの伝統医学、民族医学さらにはホメオパシーカイロ、オステオパシーの新興医学も加わって西洋医学を補う相補医療として用いられている。また、サプリメント(成分を抽出した、食品と医薬品の中間で栄養機能食品としてビタミン類やミネラル)や特定機能食品(菌類、茶、ホルモン剤)も社会的認知を得て治療から予防、健康へとニーズが移ってきている。但しEBM(証拠に基づいた医療)からみれば、効果は30%程度と考えられ、また中には併用すると返って体に害を及ぼすことも考えられるとのことで、西欧のような自己責任を持たない日本では混乱が生じるであろう。
投稿者 noguchi : 09:13 | コメント (0) | トラックバック
2005年02月16日
旅と異文化
1月20日日経新聞の人間発見欄で旅行ジャーナリスト 兼高かおる氏のお人柄には以前から尊敬していたが、この記事を見てさらに感銘した次第である。氏は我が国初のワインの味ききの第一号シュバリエでも有名であるが、行く先々の国々の様子をテレビやマスコミを通じて我々を楽しませてくれた。
氏は「旅先ではいろいろな危険な目に遭っても緊張感でそれを無事に乗り切り、夜眠るのは午前2時ランチ抜きとハードであったが病気知らず、ストレスも好きな道がそれに変わる。百聞は一見にしかず、旅は知的好奇心をくすぐり、脳を刺激し、細胞を活性化させる若さの泉、自分が物事に定まった基準、絶対とか間違いないとか断定しないのは様々な国や社会に触れ、民族や地域により様々に異なる価値観に触れたことにある。旅は人を成長させ、社会を豊かで平和にする潤滑油、自身の進むべき方向を照らしてくれる。」と。
経営者や幹部はもっと旅をしたいものだ。
投稿者 noguchi : 16:30 | コメント (0) | トラックバック
2005年02月10日
特定生活介護民間施設
先般、日医研では特別セミナー「証券化を利用した特定施設の設立と運営について」を開催したところ、定員20名のところを25名も会場に詰め込んで大変迷惑をかけてしまった。
この施設は従来の公的資金補助による介護付の老健、特養、ケアハウスといった特定生活介護施設ではなく、民間資金(株式会社)による介護付きの有料老人ホームであり、従来のシルバーケアーマンションで入居補償金が数百万から数千万円の分譲や賃貸の単なるマンションと違い、健康な人から介護の必要な人まで入居可能で生活相談員1名の他看護職員1名、介護職員1名以上を必要に応じ常勤を配し、さらに機能訓練指導員、計画作成担当者をそれぞれ1名以上(兼務可)を配置、施設基準や運営基準は厚生省令によるとしている。
この施設は平成18年中頃には各自治体に許認可権が委譲され居住地の人で30人収容以下と指導されるので60人以上収容、非居住地の人達を対象とするならばそれまでに申請をしておかなければならない。尚、建物・土地代は信託銀行により小口債権化されるので、運営する病院にとっては朗報といえよう。
投稿者 noguchi : 16:39 | コメント (0) | トラックバック
2005年02月04日
今日の医師に求められるもの
私がこの昨年11月より3ヶ月にわたり、日刊ゲンダイ新聞の要請により、12回にわたり毎週1回「金要らず医者要らず」というタイトルで風邪から不眠症、腰痛症まで私が実体験をして1日から数日で治す方法を連載しているが、大変好評のようである。この記事はビジネスマン向けであり、企業戦士として連日厳しい能力や業績の評価を受ける時代に病気で長期間患って休んだり身心や心のコンディションが万全であることが要求される人達が少しでも正常な状態に復帰することを願って書いたものである。 今日医療は皆保険で決められた西洋医学の手法で診療を行うことが求められているせいか保険外の新しい療法や金にならない自分でできる療法を教えようとはしない。患者さん達から本当に信頼されるにはその患者さんの為に一番良い療法を用いたり、指導することがこれからの時代と思う。尚当記事はそれぞれ専門の医師がコメントを添え書きしているので少なくとも間違っているとは言えまい。