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2005年07月04日
後継者セミナーで感じたこと その5 乗っ取り
乗っ取りの場合は3つのケースが挙げられる。第一に後継者がまだ医師になっていない。又は医学部に在学中か国家資格を取得したばかりで、その間つなぎで優秀な外部の医師を院長などに招聘したが為にその医師が次第に権力を握り、職員幹部を味方につけて一族の支配が及ばなくなったケース。
第二に経営状況が医師不足、ナース不足、事務長等管理能力不足で経営が悪化し、他病院と連携して経営支援や委託をしたが為に子息が帰ってくるまでに完全にその病院の傘下になってしまったケース。
第三に資金的に過剰な設備投資や患者減少による減収が原因で金融機関以外の医療関連産業や医療商社の甘言に乗せられ資金調達を行った為に後でその担保として経営権の移譲を迫られたケースなどである。
以上であるが、いずれの場合もトップが計画的に後継者問題を考えていないことと自らが死に物狂いで後継者に渡すまでは自力で頑張り、安易に他人任せにしないことである。それには経営の基本を学び直すか、誠意のある優れた医療経営のコンサルタントを横に置いて、問題や課題に対して納得のゆく手を打ってゆかねばならない。
尚、乗っ取りに遭って悲劇なのは理事長や院長職を解任されるだけでなく、金融機関等に対する債務への個人保証や連帯保証はそのまま残ることである。
投稿者 noguchi : 2005年07月04日 16:01
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