【アグレッシブな病院であるべき】
1990年、ゴールドプラン10から始まった医療改革は予想される08年をピークとする大きな動きの中で、病院経営に影響を与えている。
このような医療経営環境の中、むしろこの厳しさを逆手に取ってアグレッシブな経営対策を実施、院内活性化、職員のモラルアップ等々を図り、経営向上を実現させ得る、実にビッグな機会の到来と考えたい。
そのための整備するべき諸事項と、対策実施すべき諸件を取り上げ、整理・統合を図りつつ、実行策を展開したい。
まず、対策実施の前提条件として我国の医療機関の『弱み・悪さ』を徹底的に分析、把握し、『強み・良さ』に転化してゆく作業を進める。
日本の病院の『弱み・悪さ』とは
1.企業的体質が悪い
医療法上の影響であろうが、どのような大規模医療機関、多施設であろうが、トップは一人であり、個人商店的体質は否定できない。
2.経営に資本管理という基本が欠けている
医療施設整備上の金融優遇救策が今日でも影響し、資本を運営管理する能力に欠ける。
3.医療行政の指導が余りにも強く、永い間自主的な経営計画、分析能力を失っていた。
4.資格者主体の人事構成のため、効果的な労務管理できていない。個人としての業務推進体質であり、連帯感に欠ける。
5.診療報酬制度の故、業務対価との受け止め方より業務配分体質がある。正しい意味の「稼ぐ」感覚に欠ける。
6.経営者たる理事長・院長が法律、経済、商学等の知識に欠け、経営バランスが弱い。
以上のごとく現状の我国の医療機関の「弱さ・悪さ」は数多く、第二回以降にてさらに取り上げ、次策として「弱み・悪さ」を「強み・良さ」に対策実行すべく、具体的提案を展開する。
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(株)日本医療経営研究所
主任研究員 小澤 憲幸