メールマガジン 【病院経営 存続から発展への道】
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《 病院経営 存続から発展への道 》
その14
2003.09.01

〜風調を憂う その4〜
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 これからは医療と経営を分離すべきだ

 この言葉の意味は二通りに解釈される。一つは、米国のよ うに経営のトップは経営の専門家を当てるべきだという考え 方であり、経営の専門大学で学び、MBAをとり、更に経営協会 で実務と医療を学び、論文と試験を通ってCEO(経営最高責任者)の資格を取得した者が経営のトップの任に当たるという ものである。要は経営の専門家にまかせるべきだということ である。

 ところで一般企業の経営者で経営学を長い期間にわたり勉 強し、経営トップになったという人はどれ程いるであろうか。 そもそも経営とは理性を主とした学問というよりも、感性を 多く備え、そこに命をかける程その仕事を愛せる人にこそふ さわしいものである。我国において、優れた製造業のトップ は殆んどが技術屋である。医療においては医療をこよなく愛 し、高度な技術を駆使し、夜中にたたき起こされても躊躇な く患者さんを診れる人は医師以外に考えられない。ただ経営 トップとして少なくとも医療経営の基本、即ちマーケティン グ、財務管理組織、人事管理をスキルとして身につけ、医療 のロマンやビジョンを明確に語れる人でなければならない。 むしろ医経一致でなければならない。二つにはトップである 医師は経営に専念し、現場から一切離れるべきだという考え 方である。

 しかし中小病院においては、医師の要である院長は現場に 係ってこそ医師たちとの一体感が生まれる。現場から離れて 経営に費やすエネルギーはおおよそ100床以下ならば60%、 200床以下ならば80%、300床以上ならば100%をかけなければ ならない時代である。




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