医療機関同士の競争激化に加えて情報化時代もあって近年急速に患者の知る権利意識が強まり、一昔前の情報の非対象性ゆえに知らしむべからず、よらしむべしといった態度は通用しなくなってしまった。その結果、カルテ開示、インフォームドコンセントから始まってガンの告知にまで要求が拡がっているのが現況である。
この急激な変化の時代にどう対応すべきか、その稚拙が訴訟問題や病院の地域における評価にもつながりかねない大きな問題が含まれ、真剣な対応が迫られている。基本的には医療の全面的な責任を負わされる医師が前面に立って対応策を図ってゆく他はない。患者さんの権利意識も人により様々な強弱があり、一律にマニュアル的に対応したのでは患者満足は得られない。
上手な対応策はまず、聞き上手になることである。患者さんの本音を充分に聞き出せば、自ずから最適な対応策は生まれる聞き上手で相手の身になって答えれば、患者さん納得となる。急がば回れ。説明をはしょったり、省略するとそのツケは恐い。
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