最近医療はサービス業だからと言われて、患者サマと言ったり、ていねいな言葉遣いや長々とした説明をすることに力点が置かれる傾向が強まっている。しかし、患者さんが真に求めているのは、まず、早く不安を鎮めて欲しい、悩みを聞いて欲しいということである。
それには第一に、待たせない、そして医師が患者さんと向き合った時には前の患者さんのことや雑念を忘れる。深呼吸に乗せてそれらを吐き切って患者さんに全力を集中する。
第二に初診の患者さんには充分に時間をかけて患者さんの悩みを吐き出させ、しっかりと聞いてあげ、気持ちをわかってあげる。このような事前の問診は何も担当の医師でなくともチェックリストに沿って行えばベテランのナースやソーシャルワーカー、臨床心理士でもできることである。
第三に何とかしてあげたいという医師の熱意と患者さんは治る希望や自信を与えてほしいということがサービスの本質である。また、自分の専門外で自信の持てない患者さんにはそれにふさわしい優れた医師や医療機関に紹介し責任を持って、その後もフォローをしてあげることも患者さん満足の大きな要素となる。
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