病院での診療はチームワークといっても、外来において中心となるのは診察室をまかされる医師である。多くの患者さんから信頼され、慕われ、その結果自分の診察室に患者さんが門前市をなす。それがひいてはコメディカルも喜んで協力をし、経営陣からは能力を高く評価され、院内における年棒や地位、待遇や処遇も高くなる。そうなれば自分がさらにレベルを上げるための研究活動や研修にたいしても優遇処置も受けやすくなり、また新しい診療機器の導入に対しても発言力が増すということになる。
繰り返すが、患者さんが自分のファン(顧客)になってくれる顧客の多さが勤務医のパワーであり、評価である。また顧客は誰でも自分だけが顧客と思うわがままな人であるが、故にアフターフォローがなければ他所へ浮気をする者である。退院後も何かと音信を欠かさず、時には健康診断への呼びかけや往診も必要である。優れた車のセールスマンは車を買ってもらった時から営業が始まると考える人である。
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