医療マネジメント能力とは患者さんに対して最適な医療を効率的により安く提供するために求められる医師の能力であるが、今日の医療はややもすると供給する側の論理になりやすく、また健康保険制度に縛られた制限医療や過剰診療行為も誘発されやすい状況も散見される。病院経営という経済行為と医師の良心が乖離したのではやがては病院経営は破綻するのは必定である。
法の精神に則り、やるべきことをやり、やってはならないことはしない、このように日々の診療が行われる中で経営が成り立たないというのは医師のせいではなく経営陣の問題である。そのためにも医師は正しい医療マネジメントがどう経営に反映されているかということに対しても参画せねばならない。マネジメントの第一点は医師の行った行為は正確に記録されなければならない。正確な記録は患者さんとのより良きコミュニケーションとトラブルの防止、さらには協力してくれるコメディカルや代診の医師に対する正確な情報の伝達のみならず、診療報酬の請求漏れ防止に対しても必要不可欠であり、レセプトは大切な商品である。
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