今日、医療機関を取巻く経営環境は年々厳しさが加わり、病院病床の縮小や閉鎖、他者への売却や倒産などが増えている。その大きな原因は患者満足のための設備投資や優秀な人材の確保や育成に対する先行投資が行われず、結果的に患者さん満足や従業員満足が得られず収益のダウン、ひいては赤字経営へと転落しているところにある。企業は利益がなければ永続しない。「利益がなければ安定しない。利益がなければ発展しない。利益がなければ社会に貢献できない。利益がなければ社員の幸福が計れない。」は企業経営の鉄則であり、病院経営とて例外ではない。利益の概念を記すと、
収 益 費 用 利 益
+医業収益 −医業原価 =医業総利益
−販売、一般管理費 =医業総利益(損失)
+医業外収益 −医業外費用 =経常利益 (損失)
+特別利益 −特別損失 =税引前当期利益(損失)
−税金 =純利益(損失)
・ 医療原価においてはこの他、外注費やコメディカルの直接人件費などを 含める方式も時に見かけるが、ここでは医療原材料費のみとする。
・ 販売、一般管理費とは医療サービスを行う上での直接的に必要な費用経 費をいう。
・ 経常利益(又は損失)とは通常1年間に発生する利益や損失である。
・ 特別利益(又は損失)とは特別な場合で滅多なことでは発生しない利益
(又は損失)である。
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