さて、P/Lにおける利益とは現金ではない。現金を求めるに
はキャッシュフロー(現金の流れ)計算すなわち収支計算が必
要となる。
損益計算 収益−費用=利益
収支計算 収入−支出=残金
損益計算においては収益の中には医業収益(売上)が計上され
ても保険の支払基金にレセプトを提出して2ヵ月後に入金となる
医業未収金(売掛金)という資産であり、また費用の中には材
料の仕入などツケで買う買掛金があり、これも2〜3ヶ月後に現
金で支払う約束であり債務である。また費用に計上した減価償
却は国により定められた税務上の制度で建物や設備機器によっ
てそれぞれの耐用年数が定められ、毎年価値の損失として費用
と認められる金額であり、税金に対して損金計上される。その
結果、その分が全額税金控除となり、現金が手元に残ることに
なる。医業原価とは薬品、材料費であり、使ったものが原価で
あり使わずに倉庫においてあるものは期末棚卸(在庫)という
資産に計上される。
医業原価の内訳
【科目】 【金額】(円)
<材料費>
期首棚卸高 ××××
薬品仕入高 ××××
給食材料仕入高 ××××
医療消耗品仕入高 ××××
――――――
小 計 ××××
――――――
期末棚卸高 ××××
医業原価 ××××
収支計算においては(1)P/Lの経常の収支の他、(2)投
資活動に伴う資産の処分による(現金)収入と資産の購入や設
備投資に伴う(現金)支出を(3)財務活動に伴う債務の返済
による支出と借入や増資による収入が発生し、期首の残高資金
と合わせて残高が算出される。
医業原価とは診療に使った分のみを言い、残りは在庫という資
産に計上される。買い置きの材料と当期に倉庫に残った材料を
差引いたものとなる。
|