メールマガジン【医師のための禅】 |
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《 医師のための禅 》
その11
2004.01.20
〜公案の功徳〜
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公案はマニュアルや常識では解けない。公案を解くにはそ
の問題と一つになることがコツである。無我になって全身全
霊問題に集中する。せっぱつまればあれこれ考える暇はない。
火事場の馬鹿力も出よう。命懸けで取り組めば道は通じるも
のである。それを今迄の知識や経験に安易に頼っていたので
はそれ以上先には行けない。特に人の命に係る医師にとって
患者の突発的な危機や刻々と変化する症状に対応するには常
日頃からの技術的修練と精神的な鍛錬が求められる。しかし、
生半跏(坐禅の坐り方で両足をしっかり組むことを結跏と云
い、片足のみもう一方のひざに組むのを半跏という)な対応
ではミスを生じかねない。我々は常に諸行無常(物事は常に
変化する)の環境にあって、日進月歩の技術、患者の要求増
大という変化、患者の症状の変化に対応してゆくためには医
師は常に自己革新を怠ってはならない。即ち変化と一体にな
る。変化ができなくなれば医師としての進歩が止まるだけで
なく死である。その努力は困難を乗り越えた喜びと更には患
者さんを救えた喜びとなりその感動は何にも変え難い喜びと
なろう。
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