メールマガジン【医師のための禅】 |
▼・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・▼
《 医師のための禅 》
その12
2004.02.05
〜保険医療と西洋医学〜
▲・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・▲
|
我国はいち早く保険制度の確立した西欧、特に独にならっ
て健康保険制度を取り入れ、昭和36年には国民皆保険となっ
た。その功績は我国の食生活と相俟って世界一の長命(長寿
とは言えない)を成し遂げた。しかしその陰で検査や薬づけ、
老人病院の縛りつけ、そして植物的人間になった成人の単な
る延命処置へと医療が流され、保険点数がつくなら医療行為
を際限なく行い、つかないならばそれ以外の金がかかったり
手間がかかることは一切しないといった状況をつくり出して
きた。他方先進諸外国をみるに、昨今混合医療となる全人的
医療(ホリスティック、統合医療)がかなり研究され実践さ
れ、医療の進歩に貢献している。特に我国に於いては保険医
療が西洋医学至上主義であるためにそれを良いことにして大
半の医師は患者サイドに立った新しい医療の研究や勉強を怠
りがちである。このあたりでそろそろエコノミックアニマル
の医師からエゴをすてた無我の医師へと自己革新がなければ、
早晩若い意欲のある医師達に駆逐されるであろう。諸行は無
常なるが故に変化する者だけが生き残るのはダーウィンの進
化論が示すところである。
|
|