メールマガジン【医師のための禅】 |
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《 医師のための禅 》
その24
2004.06.14
〜医療ミス並びに医療事故と禅 その4〜
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薬害エイズ事件はもう風化しようとしているが、この問題
は1人ないし2人分の国内血液から作るクリオ製剤を用いて
いたものだが、非加熱製剤を速やかに回収して加熱製剤に切
り替える処置を早期にとらなかった為にHIV感染を起こしたも
のであり、米国では以前から数千人分の血液を混ぜ合わせて
作った非加熱製剤の危険性が明らかにされていたにもかかわ
らず、それが無視され何の対策も取られなかった。
我国はこのような事故が起こっても誰に責任があるのか明
確にされず、又事故の危険性があっても因果関係を徹底して
追及しない風土がある。禅では「百丈野孤(ひゃくじょうや
こ)」の公案に百丈山の住職に或る修行僧が訪ねて来て「大
悟した人でも因果の道理から離れられないのか」と問うたし
こと、百丈は不落因果と答えたために野孤にされてしまった
ことを戒めている。
不昧因果(ふまいいんが)、何においても因と果には大宇
宙の必然の法則があり、分かるまで徹底して参究し、決して
ごまかしてはならない。野孤禅(やこぜん)とは悟ってもい
ないのに悟ったと豪語するうぬぼれを戒めている。
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