メールマガジン【医師のための禅】 |
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《 医師のための禅 》
その25
2004.07.05
〜安楽死と医療犯罪〜
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医療ミスや事故と異なり、患者に筋弛緩剤を投与して意図
的に死亡させたとされる事件が最近たて続けに起きた。一つ
には川崎協同病院において50代の男性が気管支喘息の発作で
入院後、気管内チューブで回復中にもかかわらず、家族の前
で女医が気管内チューブを抜き、苦しむ患者に筋弛緩剤を投
与した事件。二つには仙台の北陵クリニック(病院)で入院
中の女児に対して心臓手術ミスを隠ぺいするために筋弛緩剤
を投与したまま放置したため、重い障害が残った。さらにそ
のことがキッカケとなり、同クリニックの守大助看護士が5
件の隠されたとされる筋弛緩剤投与による安楽死が白日の元
にさらされ、裁判が今日まで続いている。
もし、これが事実ならば、両事件とも未熟な技術や人間性
が引き起こしたものであり、こと人の生命に対してはたとえ
患者さんや家族に対する慈悲心や仏心でやった行為と主張し
ても許されるものではない。医師やコメディカルといえども
不完全な人間であるからこそ、第三者による立会いや、法に
よる取り決めに従う、禅でいえば万法(あらゆる環境や人や
技術)に証せられ(バックアップ)なければならない。
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