私達は日頃より八百よろづの神、すなわち神道、仏教、キリス
ト教など自分に都合の良い時と所を選んで利用して来た。そし
て何か願い事があるとお賽銭をあげたり、寄付をするいわゆる
ご利益信仰に随している。
道元禅師は「布施とはむさぼらざるなり、舟を置き 橋を渡す
も布施なり、治世産業皆布施にあらざることなし」と言ってい
る。要するに人のお役に立ち、お互いがその役割を尽くしてゆ
く、お金のある人は喜捨をして今ここにあることを感謝するこ
とに他ならない。それなのに今日困っている人ほど切なる願い
事に対してお金でより沢山の布施を行って神頼みをする。それ
を良いことに願い事を叶えられるというエサをぶら下げた祈興
宗教が栄えるといった大変いやしい時代となっている。
手術が終わって本当の感謝を込めて患者さんから寄付されるの
ならまだしも、患者さんの弱みにつけこんで手術前に裏金を要
求する大学病院等の有名医師もあると聞く。言語道断である。
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