宗教は三大宗教に代表されるキリスト教、回教、仏教などが広く普及しているが、その本質は愛、慈悲という言葉に集約される。すなわち自我を棄て大宇宙を支配するSomething
Great (神) と一つになることであり、神の使徒(キリスト、マホメット) や釈迦を信じ、その指し示すところの生き方に帰依しそのまま
実践することに他ならない。禅も釈迦の教えにおける本質を弟子の達磨により中国に伝えられ、我国には栄西や道元禅師が持ち帰って今日に至ったものである。
その究め尽くすところは道元の言葉で「諸仏の大道は透脱なり 現成なり」と言っている。透脱とは今あるがままの本来の自己
が今ここに実相として実現していることである。ただ各宗教とも入口や修行のやり方はそれぞれ異なるがその到達するところは一致する。その意味では宗教戦争による殺し合いは最高の到
達点に達していない未熟者が起こすものであり本来の宗教とは 相容れないものである。
それに比べて哲学は人の心や意識の本質を追及し、科学は宇宙 の真理を追究し、観察する者とされる者や物を区別するが、宗
教ではそのものになり切る。すなわち一体感にその違いがある。
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