健康保険財政の赤字が止まらない今日、医療に対して良質でかつ効率的な医療の提供が求められる中、医療機関においてはややもするとより多くの患者さんをより短時間で診ることを迫られる。一方患者さんからすれば3時間も待たされた上に更に短時間診療となりかねず、不満は増大する。
そのような状況にあっても患者さん満足を図るには一人の患者さんに向き合った時は前の患者さんに対する気懸かりや早く済ませて次の患者さんを診なければといったあせりを全て断ち切って今、ここ眼の前の患者さんに全身全霊を傾けることに尽きる。
事実として燃えている薪はやがては灰となる。しかし禅的考えでは「今、ここの薪は前後ありと言えども前後際断せり。」で
ある。前後の気懸かりは深呼吸にのせて吐き出すと良い。患者 さんに向きながら、心が今ここにあらず、うわの空では患者さんは納得しない。 |