我が身に所有する物はただ一つもない状況を示す言葉だがその
ことにより、第一に身をつけているものにとらわれないで物を
見れる、ゼロベースで物事を考えられることであり、第二に不
足感が強まればハングリー精神が生まれ、生活や生命を脅かす
ほどのピンチになれば本来身に備わった生命力が復活する。
ことほど左様に禅では心の無、心や頭にいっぱいつまった悩み
や心配事や知識を一度息に乗せて吐き切ることにより一度空
(から)にすれば、考え方がゼロベースとなり、本能や潜在意識
よりもっと深い知恵が発現され、何事にもとらわれない物の見
方や問題に対して正しい判断や行動が喚起される。すなわち既
存の身につけた物事や知識にとらわれない無限(無尽蔵)のす
ばらしい自己が現前する。坐禅は常にそのような体質をつくる
手法でもある。
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