知足とは足ることを知る。自分を知って満足するということで
あるが、転じて本来自分に備わった命の力を知り、その満足感
を元に生活する。すなわち生き生きと自己を生かすことを指し
示している。
釈迦による「仏遺教経」(ブツユイキョウギョウ)に「もし諸
々の苦悩を脱せんと欲せば、まさに知足を観ずべし・・・
不知足の者は富むといえども而して貧し・・・不知足の者はつ
ねに五欲のために牽かれて知足の者のために憐憫せらる。」と。
我々の苦しみや悩みはこのように欲によって生じている。足る
を知らない。欲張りや過剰な欲は必ずどこかでバランスを崩し、
身や心を害し、ついには生命までも亡ぼすことは歴史の証明す
るところである。
経営に於いても金を残すは下、仕事残すは中、人を残すは上と言
われている。資産や身分の高い人ほどそのリアクションは大きい。
ちなみに五欲とは・・・五感の対象である色・声・香・味・触に
起因して起こる財欲・色欲・飲食欲・名誉欲・睡眠欲・などの欲
望で生命を支える大切なエネルギーである。
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