道元禅師の正法眼蔵 「全機の巻で語っているが、これは前
回の不生不滅とも関連する。生きている時は生きているだけ、
死のカケラもそこにはない。人は誰でも今、ここにしか存在し
ない。今ここに自身の全てを投げ込んでそこに一つになり切れ
ることを集中力というが、これを三昧の境地とも言う。医師に
おいては患者さんと向き合っている時は患者さんと一体、患者
三昧で自己(自我)を忘れる。これが優れた医師の条件である。
しかしながら、一日に何十人も診る。そこでストレスを感じ
る医師達の多くはアルコールやゴルフや親しい仲間とのつき合
いに逃れて大半の時間を使ってストレスを解消しようとする。
その結果、家庭や職場の仲間、地域の人々との関係がおろそか
になり、返って人間関係でストレスを生じる結果を招く。家族
や子供と一緒の時はそのことだけ、職場の仲間やチームと一緒
の時はそこに一体、淡々と好き嫌いの感情を離れてひとつにな
り切る。即ち心の失印があちこちに乱れず、三昧になることが
ストレス解消の秘訣である。
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