メールマガジン【医師のための禅】

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《 医師のための禅 》
その65
2005.7.19

 〜応無所住而生其心(おうむしょじゅうにしょうごしん)〜
    
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   これは金剛経にある語で、禅宗では六祖恵能がこの語で悟っ
   たという有名な公案である。直訳すれば「応に住する所無くし
   て、而も其の心を生ずべし」となり、心が一つのところにとど
   まる。即ちものごとに執着してとらわれる(=迷い) ことなく
   全てに対応すべし。そうすれば、本当の心(菩提心=悟り)を
   生ずることができる。

   我々は金や地位、名誉といったところに住んでいるが、そこに
   心を失い勝ちである。達人とか悟った人とは無心になりきれる
   人である。金儲けの達人は金に無関心でも自然に金が入り、ス
   ポーツ選手でも心をあちこちと運ぶことなく、ただそれに成り
   切るところにベストの記録が出るものであり、記録をねらったり、
   勝ちたいと思うと緊張して負けてしまうものである。




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