これは正法眼蔵「有時の巻」、道元禅師の空間と時間のとらえ
方を示されたもので、いわゆる有時(うじ)は時すでにこれ有
なり有は皆時なりと師は示して言われる。時すでに有。時とい
うとき、生きている事実を伴わない時はない。有(空間)と時
間は一つである。大宇宙の(動かすことができない事実)真理
は常に変化し続け、ひと時として同じ状態にないということで
ある。今ここの一点は有=時=ゼロである。ある時(有時)と
いう言葉は時間がそのまま存在であり、存在はみな時間である。
今患者さんを診ている時は患者さんを診るそのものである。
歩んだ距離=速度×時間(L=V×T)で表される。今日社会が激
変する時代において高い業績をあげている企業は総じて決断(
T)が早く、行動(V)がダイナミックなところである。医療に
おいても患者さんや地域、社会のニーズの変化にいち早くつか
み(未来の今)、且つ大胆な行動(行ずる)が求められている。
まだ先(L)は長い、まだ時間(T)はあるなどといった悠長な
取り組みでなく、今(T)ここ(V)を一所懸命が勝ち組(L)の
条件である。
光陰矢の如し、人の一生は短い、人生の充実感も
自己の実績(L)をどれだけ残したかが問われよう。
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