最近とみに若手医師の大学医局離れが取りざたされているが、
これは多分に医師国家試験合格者の2年間のスーパーローテー
トの義務化により、新人医師達が研修先を大学医局から民間や
公的医療機関へとシフトしたことによる影響が大きいと思われ
る。医局員は今日まで大学医局というぬるま湯につかり、医局
との結びつきの濃い医療機関に本人の希望よりは医局の都合で
派遣され、いくつかの医療機関を定期的に回されて来た。なぜ
医局離れ、乳離れしないのかの理由は博士号の取得、講師、助
教授、教授へのポスト、公的医療機関における高いポストへの
紹介とお墨付きなど、いろいろな面での優遇や庇護と得られる
ことを期待して教授の人事に黙って従ってきたことにある。
しかし、そのぬるま湯も病院間、大学間の厳しい生存をかけた競
争を前にして、その神通力を失いつつある。自己責任、自己確
立をして真の実力を身につけなければ早晩置いて行かれること
必定であろう。
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