残高試算表では既に述べた貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)の様式に従って自動的に分類され、計算されているので多くの人がB/SとP/Lは別々のものと誤解してしまう。元々同根のものがなぜ2つに分けられるのかを理解するには仕訳の仕方が理解されなければならない。その前にそもそも決算書はなぜ必要なのかを理解しなければならない。
まず、第一に義務として役員会(理事会)、社員総会の承認、税務署、借入金融機関、都道府県医務課などへの提出がある。しかし、それにもましてもっと大切なことは決算という結果を見て、自院の財務の健全性や収益性の経営の状況をしっかりと認識することであり、さらに優れた経営を目指すならば年間の経営計画に基づいた予算をあらかじめ作成し、決算がそれとどう差異が生じたのか原因を追求して計画を修正し、次年度の予算作りにさらに生かすことが大切である。
尚、その年度の決算の数値からは職員の成長や満足度、組織の活性化、患者満足度、先行投資の必要性など数値に表れないものに対する判定は判断は難しい。
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