メールマガジン【病院経営 存続から発展への道】

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《 病院経営 存続から発展への道 》

その94
2006.04.18

〜 医療 福祉 経営と禅 その1〜 

”禅入門”


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 今日の医療福祉経営は小泉政権発足以来聖域なき構造改革の名のもとに度重なる医療 介護法の改正や報酬の引き下げが行われた結果、多くの医療機関がこの先 果たして経営がやって行けるのかどうか、ただ不安におののき、右往左往するばかりでこれといった手を打てないでいる状況にある。

 戦後長い間医師会の政治力と厚生行政に守られてきた経営もバブル経済崩壊と国家財政の破綻と経済の低成長と超高齢化社会突入による税金と社会保障費支払いの国民負担の増大に伴い、マスコミあげての医療制度改革の大合唱と共に国民の意識も小泉改革を支持しており、もう後戻りはできない待ったなしの状況に置かれているのである。我国のほとんどの産業は今日まで貿易の自由化や経済のグローバル化を成し遂げた。医療や介護もこれからはグローバル化をしてゆくことが求められている。
 
 今日、医療福祉だけが先進諸国に比べ人口当たりの病床数や在院日数、更にはMRIやCT等の高額な器機、薬品の使用率等において過剰とみられており、このアンバランスの修正とも相まって医療や介護・福祉が見直され、今後更に医療介護の良質(あるレベル以上で均質)で効率的なサービスの提供が求められつつレベルに達しない施設は淘汰されるのは必定と考えなければならない。

 経営の先が見えないこの不安に対して禅的発想が正々堂々と 己の道を歩む勇気と知恵を与えてくれる。禅は宗教であり、宗教は衆生済度心の迷いや悩みを救う役割を持つものである。禅は祈りによる神への救いを求める他力と異なり、自らが一途な正しい行動により自らが悟る、ひいては悟らされる自力が求められるものであり、我々経営をする者は禅の修行僧と違って経営という仕事(修行)を通じて悟りを開いてゆかなければならない。

 この4月より1年間道元禅師の残された正法眼臓の95巻の中から珠玉の言葉を通じて経営の真髄に迫り、経営の悩みや苦しみを克服することにお役に立てれば幸甚である。





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